「海の京都」京都府伊根町の舟屋
京都と聞くと、たくさんのお寺や神社、伝統的な京町家が立ち並ぶ京都市内や嵐山などのイメージが強いかと思いますが、京都は海や森などの自然的な都市部とはまた違った魅力も持ち合わせています。
その一つとして、まるで海に浮かぶような建物が立ち並ぶ”舟屋”と呼ばれる昔ながらの伝統的な家々が立ち並んでいる地区が京都府北部にあります。
京都府伊根町は丹後半島の東端に位置し、伝統的な舟屋は伊根湾の周辺約5kmをぐるっと囲むように、なんと現在230軒ほどの舟屋が軒を連ねています。この舟屋地域全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
舟屋は、この地域の産業である漁業と深く関わっており、住居の内部に、2mほど海水が入り込むようになっていて、海から直接船を出せるような構造になっています。
今となっては船もモーターが付いて大分、大型化していて家の前に停泊しているお家もあるようですが。
伊根町はブリの漁獲で非常に有名な場所で、昔からこのブリを年貢として納めてきたそうです。伊根湾の周遊船を営んでおられる方の舟屋を覗かせていただきましたが、ほんとに海の上に家が建っているような造りになっています。
下の写真では分かりにくいですが、舟屋には、たくさんの魚やさざえなどの貝が入った魚網が繋がれており、いつでも新鮮な魚を食べられる天然の水槽がありました。
伊根町を歩いていると昔ながらの家々が立ち並んでいます。実は伝統的な舟屋には、海側に面したこの文字通り舟屋と道を挟んで山側に面した母屋の2つでセットで暮らしているタイプが多いそうです。
町から見る海の風景も最高。
こちらの舟は片道75分で舞鶴まで運行しているようです。ということは舞鶴からこの舟で伊根町へ来るというルートもあるんですね!
町を歩いていると、とてもおしゃれなエリアがありました。伝統的な雰囲気を残しつつおしゃれなレストランとカフェになっていました。京都は町家を活かすようなこういうスタイルが本当にお上手。
冷たいアイスコーヒーを飲みながら、伊根湾の風景を眺められる最高なロケーション
せっかくここまで来たので、伊根湾の周遊船に乗りました。これは大正解!海からみる景色はまた別格に良かった。
カモメのエサやりもさせてくれます(笑)池のコイに餌をやるように、たくさんのカモメがエサをもとめてたかってきます。
1,000円で30分ほど伊根湾を周遊してもらえました。いくつか舟業者さんがあるようです。
そして、最後に伊根町の高台にある道の駅、舟屋の里へ。
海の幸海鮮丼、最高です。
そして、ここ道の駅から眺める伊根湾全体の風景が超絶景!!感動モノでした。
インスタでよく見たような写真だと、伊根町のほんのいち部分が舟屋みたいになっているんだと思ってて、こんなにもたくさんの舟屋が並んでいる風景は想像していなかった。
伊根町も近年、写真家の方や外国人にも少しずつ人気が出てきているようです。ここに来れば、大納得です。
海に浮かぶような家々が立ち並ぶ風景とその背景に迫る山々のコントラストがこの地域独特の風景を創り出しています。
今回、この伊根湾の海を身近に味わって感じたのが、とても水が綺麗。舟の上からも魚が泳いでいる様子も見えました。そして、ほとんど波がない。ここは四方が山々に囲まれている上に湾自体が日本海と反対を向くように南側を向いている上に、湾の入り口には無人島である青島が防波堤のように佇んでいる故によほどのことがない限り、大きな波が立つことはないそうです。でないと、大変なことになってしまいますよね。
海とともに暮らす、”日本の原風景”とも言える海の京都、伊根町の舟屋地区はとても素敵な場所でした。
日本にもまだこんな知らない世界があるんだと感じました。
京都府伊根町
京都縦貫自動車道を利用すれば、京都市内や大阪方面からも2〜3時間ほどで到着します。実は有名な観光地、天橋立ともほど近い場所。なので、天橋立まで来たらぜひいっしょに訪れたいスポットです。
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