写真家/竹沢うるま
さんと初めてお会いして、また旅が好きになりました。というお話。
旅と写真が好きであれば、耳にしたことがあることがあるかと思います。
写真家/竹沢うるま 2010年日本を旅立ち、1021日103ヶ国を巡る旅を終え、2012年12月31日帰国。代表作はその旅の記録をまとめた写真集「Walkabout」(小学館)と旅行記「The Songlines」(小学館)。「うるま」とは沖縄の方言で、珊瑚の島という意味。「日経ナショナル ジオグラフィック写真賞 2014」の受賞。 http://uruma-photo.com/ FB:https://www.facebook.com/uruma.takezawa |
2014年日経ナショナル ジオグラフィック写真賞グランプリ受賞後、初となる竹沢うるまの写真集。
アメリカとの国交正常化で、消えゆくキューバの記録。
「1959年のキューバ革命以降、イデオロギーの狭間で翻弄され続けた小さな島国が積み重ねてきた時間が生み出す独特の空気感。そして駆け抜けてきた時代の疾走感。それらを、音を頼りに写真に記録し、まとめた。」(あとがきより)
自分はうるまさんの写真も名前も良く目にも耳にもしていましたが、正直あえて目をそらすように興味を持たなかった自分がいました。
理由は単純で、「旅」「世界一周」「写真」というようなキーワードは自分とも重なるし、多少なりと自分も旅の写真を撮っているので、変なプライドみたいなのがあったんだと思います。自分もこれぐらいの写真は撮れるし、写真集も出そうと思えば出せる。みたいな(今は違いますよw)
基本的に、うるまさん云々に関わらず、「世界一周」という言葉に拒否反応を示してしまうところがあります。
なんでしょうか。世界一周の話をする人は、大体 “しんどかった自慢”や、”大変だった自慢 “、”激安で行った自慢”、”日本なんて早く飛び出せ””ぜったいここは行った方がいい”的な話をされる印象(勝手な思い込みかもしれません)です。
で、もうそういうのはいいんですよね(笑)
世界一周をした人なんてのはこのご時世いくらでもいるし、それ自体は特別なことでもなくなってきました。だから、そういう話を聞いても自分が行ってないところへ行ってることに対して、羨ましくなるだけだったり、本当の良さや旅の本質はそこじゃないだろとか思っちゃったり(笑)
前置きが長くなりました。そんな心境のなか、うるまさんが先日大阪にてトークショーをされるということを耳にし、せっかくの機会なのでうるまさんに一度会って話を聞いてみようと思い当日急遽ながらトークショーに参加しました。
トークショーの様子
結果から言うと、行って本当に良かったと思いました。
おそらく、今回はじめて他人の世界一周の話に耳を傾けました。
詳しい内容は、うるまさんが執筆された著書”Song lines”に書かれていますので触れませんが、素直にトークを聞いていてすごく面白かった。自分とはまったく違う感覚、価値観で旅をされていて、自分が写真家であることを自負されていることや、写真に対する考え方などを聞くことができ、すごく価値のある時間でした。
うるまさんの旅のストーリーや写真を通じて、この方と自分があたかもライバルのように錯覚していた自分の愚かさに、まず初めにすごく恥ずかしくなりました。
なんというか旅の経験や、信念、写真もしかりで(もちろん技術的なところを含め)、簡単に言えば旅人としてのレベルが違うなと率直に感じた。
最後にお話する機会があり、正直にうるまさんに伝えました。
「今までお名前を伺うことも、拝見することもたくさんありましたが、敢えて(うるまさんのことを)避けてきた自分がいます。正直、自分ができないことをやっておられ、すごく羨ましいからです。ただ、今日お話を聞くことができてすごく良かったです。」と(いま思うと何様だって話だけどw)
そして、うるまさんからは、こう返ってきました。
「それぞれの役割があると思うので、それぞれの役割を担っていきましょう。」
と。すごくシンプルな返答でしたが、この言葉にすごく納得した自分がいて、自分が抱いていた世界一周や、その言葉への嫌悪感もスッキリした気持ちになりました。
まったくもってその通りだし、自分は仕事として旅に携わることで、違う役割を担ってきたつもりだし、自分なりの発信をしてきました。それをなぜか、人の世界一周の体験や活動と比較して、拒否反応を示していた自分がいました。
形は変われど、学生の時、あの若さで世界を観て、感じて、普通に生きていると体験できない世界を体感できたことはすごく意味のあることで、まったくもって否定するようなことではないなとも思えました。
そして、人それぞれの旅があって、世界一周という旅があって、そこに対してどうこう思う必要なんてなくて、それぞれの旅人が、それぞれの役割の元、自分が目にしたような世界、旅の素晴らしさというのを伝え、より多くの人に旅へ出るキッカケ作りをしていければと思いました。
やっぱり、旅にはすごい力があるし、そこはどれだけ情報社会が進んだって、世界中の写真がグーグルで見れたって、変わらないところだと確信している。
これからも自分なりの役割を担っていこうと改めて思えた時間でした。
あぁ旅に出たいなー!写真撮りたいなー!
竹沢うるまさんのこれからのご活躍、ご健勝をお祈りしつつ、自分ももっともっと頑張ろうと思います。貴重な時間をありがとうございました。
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